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「アリの働き」

 通常は昼間に働き、夜には休む働きアリを卵や幼虫と一緒に置くと、昼夜を問わず活動し続けるそうだ。生態発生学が専門の東京大学助教、岡田泰和さんらのチームがイギリスの科学誌に発表した内容を共同通信が配信している。

 ▼記事によると、働きアリの動きを映像で自動追尾し、24時間体制で観察した結果「卵や幼虫と一緒の時は昼夜を問わず働く。けれども、さなぎになって世話の必要性が薄れてくると、昼は活動するが、夜はあまり動かない」ことが分かった。

 ▼この習性について、岡田さんらは「病原菌に感染しやすく清潔な状態を保つ必要のある時期は子の養育に付きっきりになる。それは動物に広く共通する性質かもしれない」と推測している。文字や言葉は持たなくても、子育てについてはこういう本能が備わっているから、次代に子孫を引き継いでいけるのだろう。

 ▼翻って、いまの人間社会はどうか。家庭も社会も、子育てのためにすべてを投げ出すという状況にあるのかどうか。保育施設の整備から働き方まで、政治や社会は子育てをしやすい仕組みづくりをどこまで進めてきたのか。若い男女を引き合わせる婚活に力を入れる程度では、ことは何一つ改善しないのではないか。

 ▼このままでは人口は減少し、明日への活力がしぼんでいく。それに歯止めをかけるためには、子育てに全力を尽くすアリの行動から学べることは多い。大いに考えさせられる内容だった。(石)



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