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「ジビエを味わう」

 先日、串本町へ知人を訪ねたついでに古座川町まで足を延ばし、道の駅「一枚岩」に寄ってジビエバーガーを食べた。たっぷりのシカ肉は癖がなく、ほのかに甘みがある。結構、ボリュームがあったが、もう一つ食べられそうだった。

 ▼野生のイノシシやシカによる農林業への被害が深刻化している。その対策として多様な手段で捕獲が進み、野生鳥獣を食用として利用する取り組みが注目されている。いわゆるジビエ振興策である。しかし一方で、野生動物の肉は硬くて味に癖があると感じている人が多いのではないか。

 ▼私もその一人だった。だが、知人からシカ肉の大和煮を贈られて見方が変わった。ハッサクか甘夏の果肉を入れて煮込んだ肉は、クジラの大和煮に酸味を利かせたような風味。臭みがなく、いくらでも食べられた。

 ▼素早い血抜きなどの処理を徹底したうえで調理したジビエ肉は、本来のうまみを堪能できるのだろう。野生肉の利用が伝統料理として発展したヨーロッパでは、血の1滴まで無駄にせず、料理の種類も多彩である。

 ▼県によると、県内で野生動物を解体処理し、販売する施設は16カ所。等級制度の導入など肉質改善への取り組みも進み、ジビエ肉が扱いやすくなった。ジビエ料理を出す店も増えているという。今後、学校給食にもジビエを広めるそうだ。

 ▼賛成である。同時に、なぜジビエ料理を導入するのか、という教育も忘れないでもらいたい。(沖)



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