AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「パソコンと原稿」

 仕事柄、パソコンは欠かせない。入力すると、漢字に変換され、文章の修正も簡単にできる。結果的に仕上がりも良くなる。「書く」から「打つ」に変わって文明の利器のありがたさを実感する。

 ▼能力がないと言われればそれまでだが、わずか600字ほどの「水鉄砲」でさえ、書いては消し、言葉を加えて手直しする。「この部分は後半に持ってこよう」と丸ごと段落を切り取って移すこともある。仕上がると読み返し、誤りを見つけてまた直す。この便利さに慣れてしまったから、原稿用紙を使っていた頃には到底戻れないだろう。

 ▼記者になった約30年前、会社には専用の大きな卓上ワープロが配備されたばかりだった。しかし、出先で急ぎの記事を書く場合は原稿用紙。かばんには常時、原稿用紙と筆箱、国語辞書を入れていた。

 ▼現場での執筆は時間との戦い。未熟だったから気持ちばかりが焦ったことを覚えている。ようやく書き始めてもうまく書けず、1行ほどですぐに新しい用紙に替える。でも、しばらくするとまた失敗して書き直す。ペンに力が入り過ぎて紙が破れることもあった。

 ▼やっと書き上げても、送稿が一苦労。役場などに設置されているファクスを借りて会社に送ったが、手元には完成原稿よりも圧倒的に多い書き損じがあった。

 ▼振り返れば、そんな乱筆乱文の原稿を処理し、読みやすい文章に仕上げてくれていた編集責任者はさぞかし大変だっただろう。 (河)



更新)