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「『福島後』の世界」

 東京電力の発表によると、福島第1原発2号機のメルトダウン(炉心溶融)した原子炉格納容器内の空間放射線量は、最大毎時530シーベルトに達すると推定された。

 ▼遠隔カメラで撮影した画像を解析した結果で、上下30%の誤差があるというが、これまでの最大実測値の毎時73シーベルトをはるかに上回る。運転中の圧力容器内の線量に匹敵し、数十秒の被ばくで全員が死亡するレベルという。

 ▼こうした過酷な状況で、溶け落ちた核燃料をどのようにして取り出し、廃炉作業を進めていくのか。東電は「カメラ付き自走式ロボットを格納容器内に入れる調査で、線量などを調べて総合的に判断する」というが、原子炉直下の作業用足場が変形して陥没しており、調査自体の作業も見直しが必要になるという。

 ▼事故から6年。こうした情報に接するたびに、あらためて事故の深刻さを思い知らされる。調査さえ難しいのに、廃炉作業をどう進めていくのか。2号機だけではない。1号機から4号機までのすべてが過酷な被害を受けている福島原発の廃炉作業が果たして可能なのか。

 ▼私たちはあの事故で、原子炉を100%安全に制御することの難しさを知った。いわば「福島後」の世界に生きている。だからこそあの事故から得られた知見と教訓のすべてをこの国の政策に反映させなければならない。それが事故に向き合うことであり、電力を供給し、利用するすべての人間に課せられた責務である。 (石)



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