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「趣味のごみ拾い」

 映画監督、宮崎駿さんの趣味は、毎朝のごみ拾いだという。新潮社の『波』という小冊子の1月号に掲載された解剖学者の養老孟司さんとの対談で明かしている。

 ▼なんで拾うようになったのかといえば「ごみがそこら中に落ちて汚れているから」。どうして拾う範囲が広がったかといえば「目の前だけと思ってやっていると、角の向こうにも落ちている。さぼっている間に車がはじいたごみが転がってくる。それを拾っているうちに範囲が広がった」と答えている。

 ▼ごみを捨てる人は現状が不愉快である人が多い。現状が不愉快である人は結構いるから、ごみはなくならない。だから、決まったスケジュール、決まった範囲でこの10年ほど続けているという。その理由を説明し始めると面倒なので「趣味です」の返事で済ませているそうだ。

 ▼「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」など数々の名作を送り出した巨匠がごみ拾いを日課にしているのもすごいが、それを「趣味です」の一言で片付けられるのにも驚く。

 ▼田辺のまちでも時折、ごみを拾う人を見掛ける。夜の散歩の途上、よく出会うご婦人もその一人。声を掛けたことはないが、ポリ袋と火箸を手に歩道を歩き、ごみを拾っておられる姿に、思わず頭が下がる。

 ▼このご婦人に限らず、道端のごみを拾い、花壇を手入れされている人は各地におられるに違いない。そういう無償の行為の積み重ねで快適なまちが生まれるのだろう。 (石)



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