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「年頭所感、熊楠150年」

 2017年は大政奉還から150年。関ケ原の戦いから数えて267年も続いた徳川政権が幕を閉じた節目の年になる。

 ▼この年には、後半生を田辺市で過ごした世界的な博物・民俗学者の南方熊楠が和歌山市で生まれている。生誕150年にあたって田辺市や和歌山市は記念行事を計画。県が白浜町に建設中の南方熊楠記念館の新館も3月に完成し、耐震補強工事をしていた本館とともにお披露目される。

 ▼150年前といえば、慶応3(1867)年。この年には歴史に名を残した人が数多く生まれている。小説家では「こころ」の夏目漱石、「五重塔」の幸田露伴、「金色夜叉」の尾崎紅葉。俳句に新しい光を当てた正岡子規がいるし、政府批判で入獄4回、発売禁止15回の履歴を持つ反骨のジャーナリスト、宮武外骨もいる。

 ▼幕末生まれの彼らが活躍したのは明治の中期から末期。文明開化と富国強兵を合言葉に、日本が欧米列強に仲間入りしようとしていた時代だ。社会は新興の息吹に満ち、司馬遼太郎の小説から借りれば、国も国民も「坂の上の雲」を見上げて懸命に汗を流していた。

 ▼そういう時だから、若い人たちも存分にその才能を発揮できたのだろう。子規と紅葉は36歳、漱石は49歳で亡くなったが、いまならこれからという年齢だ。

 ▼年の初めに先人たちの業績を振り返りつつ、150年後の若者たちに、もっともっと元気を出し、大きく羽ばたいて、と思いが募る。 (石)



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