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「公園の若い人」

 先日の本紙「紀伊俳壇」で「散歩道延長戦の小春かな」(小山裕司)という句を見掛けた。「小春日が何日か続くことを延長戦と捉えた」と選評にある通り、歳末とは思えないほどの陽気が続く情景を詠んでいる。

 ▼この句に刺激され、田辺市の新庄総合公園を散策した。年の瀬とは思えないほど暖かく、山路には早くもスミレが咲いている。スイセンの黄色い花も見える。谷間の池ではカモが30羽以上、群れをなして泳いでいる。

 ▼よく手入れされた花壇では、葉ボタンが正月を待っている。菜の花が咲き、その近くではこの季節には珍しいヒマワリが大輪の花を咲かせている。夏の花をこの季節に満開にするには、どんな工夫があるのだろうか。畑を整備し、苗を育ててきた人たちの努力に頭が下がる。

 ▼この日の公園では、なぜか若い人の姿が目に付いた。普段は犬を散歩させる人や子どもたちの天国だが、この時季は都会の大学に進んでいる学生たちが帰省し、旧友との再会を楽しんでいるのだろう。

 ▼ふるさとの公園を散策し、和やかに語らい合っている若者たちを眺めながら、果たしてこのうち何人が卒業後、郷里に帰ってくるのだろうと考えた。

 ▼ふるさとはいま高齢化と少子化、それに伴う人口減少で悩んでいる。せっかく育った若者も進学を機に、そのまま大都市に住み着いてしまう。この流れをどのように食い止めるか。官民を問わず、地域を挙げて考えなければならない。 (石)



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